第5章 Happy birthday! ~波乱の横恋慕編~
難を逃れた麗亞は部屋に入ろうとした時後ろから声をかけられた。振り返ると光秀さんが麗亞の後を追って来ていたのだ。
「光秀さん・・・。」
ニヤリと笑みを浮かべた光秀
光「ちょっといいか?」
立ち話もなんだし、さっきの事をこんな所で話をされ他の人に聞かれるとまずいのでとりあえず部屋に招き入れることにする。
「どうぞ・・・。」
麗亞は買ってきた品物を棚に置く。
光「流石、魔王の心を射止めただけの女ではあるな。他の武将までたらしこむとは、その手管を知りたいものだ。」
からかうように言う光秀に反論する。
「やっぱり知っていたんですね光秀さん、でも光秀さんが思っているような事じゃないですよ?」
光秀は差し出された座布団の上に座る。
「で、それだけじゃないんですよね?私の部屋に来たという事は?」
光「ほぅ・・・。察しがいいな。」
麗亞は光秀の向かいに座って居住まいを正すと神妙な面持ちで聞いた。
「何を聞きたいんですか?それとも何か私に言いたいことがあるんでしょうか?一応幸村も、佐助君も敵側ですけど私には友達ですし、かといって、こちらの話や情報なども話すことはないです。光秀さんが思っているような事は何にもないですよ。」
光秀はじっと麗亞を見すかすように見つめる。暫く凝視した後ふと微笑んで話し始めた。
光「まぁ、そうだろうな、お前が間者の真似事ができるわけもなし。それは普段のお前の行動を見れば分かるがな・・・。」
その嘲笑になんだか馬鹿にされたような気持になった麗亞はぷぅっとほほをふくらませて抗議の声を上げる。
「それはまるで私が頭が悪くて、考えなしみたいな事を言ってるんですか?」
光「ほぅ・・・、今日はやけに珍しく頭が冴えているようだな。」
くくくっ、と思わず笑い声を漏らす。
「そんなに笑わなくても・・・。どうせ色気も無いし、女忍者見たいに小狡さも、魅力もないですけどぉ・・・。」
自分自信を振り返ってみるとなんだか冴えない自分にちょっと自信を無くしてしまい、思わずうつむいてしまう。それを見た光秀は無意識に麗亞の頬に手を伸ばし触れた。
光「そう拗ねるな・・・。それがお前の良い所だと私は思うが・・・。それでは不満か?」
「光秀さん・・・。」