第3章 Happy birthday!~進撃の龍虎編~
その頃、安土城では信長不在の中、着々と明日の端午の節句の行事の準備が進められていた。
「この時代にもちゃんと端午の節句をしていたんだね。」
感心しながら。菖蒲の葉でできた薬玉が柱から下げられていくのを見ていた。これは家康の手作りで、視察に行く前に作ってくれていたものであった。
政「五百年後の五月の節句はどうなっているんだ?」
興味津々に聞いて来る政宗に麗亞は答える
「私の時代の五月の節句は、男の子の節句でやっぱり菖蒲の葉っぱの入ったお風呂に浸かったり。あとは鎧兜を飾ったり。笹の葉で包まれた、ちまきというお団子?か柏餅などを食べたりしたよ。」
光「ほぅ、今とはずいぶん様変わりしているようだな。」
そこに秀吉も加わる。
秀「今だと、節句は災厄を避けるための行事と言った所かな。騎射(うまゆみ)競馬(くらべうま)などをやって災厄をもたらす鬼を退治すると言われているんだ。」
「へぇ・・・。そうなんだ。」
政「でも菖蒲湯は今と同じかもな。お団子は聞いたことが無いが。楽しそうだから教えろ。作ってやる。笹の葉もとりに行けばあるから。」
「えっ本当?! アレ大好きなの!此処でも食べられたら嬉しい!!」
そう言って麗亞は政宗に台所に連れられて行った。麗亞がいなくなったのを確認して光秀と秀吉は小声で話し始める。
秀「麗亞の生誕日の計画は進んでいるか?」
光「あぁ、よもや信長様の宴の次の日にまた自分が祝われるとは思うまいて。あの鈍い娘の事だ。」
二人はニヤリとほくそ笑んだ。
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台所では政宗にどういう食べ物かを麗亞なりに教えていた。
「うんとね、白玉団子みたいなもちもちしたお餅で、でも味はお砂糖が入っていて少し甘いの。で、こーいう形で笹の葉にくるまれてて。多分包んでから蒸すの。」
そう言って筆で紙に細長いちまきの形を説明しながら書きだした。
政「成程な・・・。そうやって包んであるのか・・・。面白いな。」
初めて作る物に政宗は興味深げに色々熱心に聞いていた。でも大体の説明が終わると
政「だいたいわかったぞ、ちょっと作ってみる。またできたら今日の夕餉の時にでも試作を出そう。」
それを聞いて麗亞は目をキラキラさせて喜んだ。
「嬉しい~たのしみ♪政宗が作るんだから絶対に美味しいよね!」