第3章 Happy birthday!~進撃の龍虎編~
玄「まぁ、そうだろうな・・・。とりあえず、俺達だけで行ってくるとするか。」
玄(それに安土に行けばもしかするとあの麗しき姫に出くわすかもしれぬしな。)
心の中でニヤリとする信玄。嫌そうな幸村。そして興味ないと言わんばかりの謙信。
謙「あぁ、何処へなりとも行って来い。そして戦を仕掛ける準備をしてくれ。闘う事が決まったらすぐさま知らせろ。」
そう言い残すと。1人部屋を出て行った。
佐「ほんとうに困った人だ。戦が無いと死んでしまうとずっと朝から言ってて。では失礼します。」
玄「あぁ、いつものことだ。捨てておけ。お前も苦労するな。」
そういうと何かを思い出したように部屋を出ようとした佐助に声をかける。
玄「佐助、悪いんだが、ちょっとお使い頼めるかな?もしよければ、安土の姫の様子を知らせてはくれまいか?」
幸「まぁた、麗亞にちょっかい掛けようとしてるんですか?」
佐「分かりました、暫く会っていませんでしたから、丁度様子を知りたかった所です。信玄様の話していた行商の件と併せて探ってまいります。」
そういうと会釈をして佐助は部屋を後にした。
幸「どういうつもりか知りませんが、そういうのは自分所の忍びにやらせればいいんじゃないですか?」
玄「いや、佐助は彼女と知り合いだ。だからより正確でより近しい様子を知れるからな。」
麗亞の顔を思い浮かべると、信玄は思わず顔が緩んだ。
幸「あーあ、そんなだらしない顔。城下の信玄様の取り巻き連がみたら悲しみますよ~。」
玄「幸こそ、麗亞の事が気になるんじゃないか?口ではいがみあってても。なんとなく違う感情が見え隠れしているのは俺の気のせいか?」
思わずドキリとする幸村だが、その気持ちを振り払うようにせいいっぱい虚勢を張った。
幸「何言ってんですか?!あんなイノシシ女!!の何処が!つまんない事言ってないでちゃんと仕事してくださいよ。書簡が溜まっててしょうがないんですから。それが終わらないと安土へは行かせませんからね!」
玄「はいはい・・・わかりましたよ。」
左手でひらひらと手をダルそうに振る。
玄「すぐ終わらせるから、旅支度しておけよ幸。」
ニヤリと微笑む信玄。
幸「はいはい、わかりましたよ。」
幸村は嫌みたらたらで先ほどの信玄の真似返事をして部屋を出て行った。