第2章 Happy birthday!~信長様奮闘編~
家「あの二人ですか・・・。二人とも熱狂的に麗亞のこと気に入っているようですからね。」
ふぅ、とため息をつく。
光「女好きの信玄はともかく、女嫌いの謙信まで惑わすとは。流石信長様の御寵愛されている姫君という訳か・・・。世の中には恐ろしい事もあったものだ。」
政「とにかく奴らには邪魔されないようにしないといけないって訳か・・・。」
そうして麗亞の生誕日の事で名だたる武将たちがあーでもないこーでもないと遅くまで議論していた事は当の本人は知る由もなかった。
-----そして、五月に入ったばかりの早朝。-----
安土城門に皆が集まっていた。今日から数日ばかり傘下の大名の所に視察に向かう信長達を皆が見送りに出ていた。
心配そうな顔の麗亞が信長の側に駆け寄る。
「信長様。気を付けてくださいね。お早いお帰りを。」
麗亞の頬を右手で撫でる。
長「案ずるな。戦ではない、危険な事など少しもない。」
三「麗亞様、大丈夫ですなにかあっても、家康さまもいらっしゃいますし。私も居ますので。」
家「あんたは呑気にいつも通りに過ごしてれば?」
皆からも元気づけられるも、ここ最近信長となかなかゆっくりと話もできていない麗亞は寂しさが募るばかりであった。
そんな麗亞の気持ちを読み取った信長は笑みを浮かべてそっと耳元で皆に聞こえないように小声で囁く。
長『帰って来たら、覚悟しておけ、寝かしてやらぬぞ。』
その言葉に思わずドキリとして頬を染めた麗亞の愛らしい顔を目に焼き付け信長は、かすめ取るように口づけを麗亞から奪った。
「んっ・・の、信長様///」
馬に乗り皆の顔を見渡し告げる。
長「私の留守中しかと頼んだぞ。」
政・光・秀「はい。」
そういうと、信長は家康・三成と少ない共の者と出立したのである。いつまでも見送る麗亞をちらりと見る。
長(あやつ、まだあんな所に、5月になったと言え、まだ朝晩は冷えるのに・・・。)
いつまでも、自分の姿が見えていては城に入らないと思った信長は後ろの者に声をかけた。
長「少し早駆けるぞ、ついてまいれ。」
はっ・・という皆の返事を聞くと同時に信長は馬に鞭を入れ駆け出した。