第2章 Happy birthday!~信長様奮闘編~
その頃信長はというと、秀吉を探し歩き回っていた。
長「秀吉は居らぬか?」
すると前方より三成がこちらにやって来るのが見えた。
長「三成!」
信長に声を掛けられた三成はすぐさま側に駆け寄り、何事かを問う。
三「信長様、どうかされましたか?なにか問題でも?」
大きな声で呼びつけられたので、何か粗相でもしたのかと心配になった三成。
長「そうではないが、秀吉は何処だ?先ほどから探しているのだかおらぬ。」
三「あ・・それなら先ほどまで、お・・・」
と言いかけた時に後ろから慌てて秀吉が声をかけた。
秀「信長様!!ここにおります!申し訳ありません。」
危うく打ち合わせ場所に使っている奥の部屋の場所を言いそうになる寸前で阻止する。
長「探したぞ猿。手間を掛けさせるな。いつもなら呼べばすぐに来る奴が何をしておった。」
流石に信長様のお誕生日の宴の密会とも言えず秀吉は苦渋の表情を浮かべる。
秀「ちょっと色々雑務をしておりまして。遅くなりました。」
長「大方あちこちで、要らぬ説教だの、長い話などしておったのだろう。とにかく緊急の軍議を行うので皆を呼べ、あ、その時には麗亞は呼ぶな決してだ。これは誰にも漏らしてならぬ会合であると伝えよ。」
真剣に言う信長の顔を見てただならぬ雰囲気を感じ取った秀吉は、慌てて傅くと、三成にもその旨を他の者に伝えるよう。取り計らった。
秀「三成お前は家康と政宗の邸宅に行きその旨伝えよ。決して麗亞に、いや、それ以外にも知られてはならぬ。」
三「分かりました。そのように。」
そういうと三成はすぐさま、家康と政宗の元へと向かった。
秀「光秀は私が探してすぐさま来るように伝えます。」
そう言ってその場を離れようとした時。
長「というわけだ、光秀すぐさま軍議を行う。」
そう呟くと、今まで誰もいなかったはずの背後より、光秀がスッと出て来た。
光秀「かしこまりました信長様。」
秀吉「何処にいたんだよ光秀。お前は本当に読めない動きをする。しかし、信長様もよく光秀が近くにいるとご存じで。」
信長は不敵な笑みを浮かべた。
長「自分の片腕位御せぬようでは、困るからな。」
光「流石信長様です。・・・では行きましょう。こんなところに皆で居ては目立ちます。いくら目が節穴の麗亞でも、見つかってしまいますぞ。」