第6章 馬術
クリスタから渡された馬の手綱。
握りながら笑うミサキに釣られ、クリスタも笑うもんだから、辺りにはホンワカした空気が漂ー…
「お前、馬からお友達って思われてんじゃねぇの?」
っていたと思ったのに、お前のせいで台無しだぜ。ユミル。
「もう!」
ふくれっ面なクリスタを横目に、俺はミサキの肩に手を置いた。
馬も決まったんだ。
そろそろ馬術の訓練始めねぇと、馬選びだけで一日が終わっちまう。
別に今日の馬術訓練、採点なんかされちゃいねぇだろうが、他のやつらに遅れを取りたくはない。
早いとこ慣れといた方が、後々楽になるだろ?
しかも今日は晴天ときてる。
今日の内に、コツだけは掴んでおかねぇと。
「ミサキはそいつで行くんだろ?俺も馬はもう決まっちまってるから、訓練は一緒に行かねぇか?」
クリスタとユミルの光景をニコニコと笑いながら見ているミサキ。
今日は都合がいい事に、乗り方を一通り聞いた後は各々馬に慣れておくように伝えられただけで、取り決められたルールもない。
それなら一緒に訓練するのもいいんじゃねぇか?
つっても、マルコとコニーも一緒だがな。
『もう、乗ってもいいの!?やりたい!あ!クリスタ、ありがとう!』
そうミサキが手を上げれば、クリスタも笑って「頑張ってね。」と送り出した。