• テキストサイズ

【進撃の巨人】ジャン・キルシュタイン

第5章 座学








開いていた書物にしおりを挟み、ミサキの手を取って立ち上がる。



少しだけ手を引くと、軽々と起き上がってしまうミサキの身体に衝撃を受けた。



……こいつ、こんな軽いがちゃんと飯食ってんのかよ。



「お前さぁ、そんな身体で体力あんのか?訓練兵っつーだけあって、体力面での訓練もあるんだぞ?」









ミサキの身体を上から下まで見やる。



女の中でも小せえ方なのに。

クリスタより少し身長はあるようだが、それでも、列に並べば他に比べて小柄だ。



マルコがコニーと話していた訓練の内容には、いささか力が弱い者や、体力がない者には負担の掛かる訓練も数多くあった。



自分でここに連れ出したのはいいが、今後の事を考えると少し心配しちまう。



『私は大丈夫。重労働にはなれてるし、意外と体力もあるから。そんな事より、ジャンの座学の方が心配だよ。今日、完全に寝ちゃってたし。』



「んなっ!?」



ミサキのストレートな言葉。



クソッ!

そんなどうでもいいところ、まだ覚えてたのかよ。

お前は文字を精一杯覚えなきゃなんねぇんだから、今日の事は忘れろ!



『……座学は苦手?マルコに教えて貰った方がいいかな?』



顔を赤くする俺とは対照的な、不安気なミサキの顔。



首を傾げてとんでもねぇ事言いやがる。



マルコだと?

何でマルコが出てくんだよ。



「昨日寝てなかったから……今日はたまたまだよ。分からねぇ事は俺に聞け。下手に文字が読めねぇとか周りに知られんなよ?」



なんて言いはしたが、寝てねぇなんて嘘だ。



お前との穏やかな時間。



この時間を他の誰が過ごすのが、少し嫌だった。




/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp