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【進撃の巨人】ジャン・キルシュタイン

第5章 座学







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相変わらず、光をめいっぱい反射してキラキラ光る水面。



肌を伝う風は暖かく、名前すら知らない咲き誇る小さな花には、遊ぶ様に飛び交う蝶々。



俺達は、定番化したと言ってもいい位置に、文献を置いて、腰を下ろした。



まだ今日で3回しかここには来た事はねぇって言うのに、ここでミサキといると、不思議と気持ちが落ち着くんだ。



それとは裏腹に胸の奥深くが茹だるように熱くなる感覚がある。



初めてミサキを見た時、純粋に綺麗だと思った。



光で反射したサラサラの長い髪。

憂いを帯びた優美な面持ち。

まるで空から天使が落っこちて来たんじゃねぇか、ってくらい神秘的で絵画の一枚のようだった。



顔を合わせると胸が高鳴り、時には苦しくなる。

惹かれてるとは分かっちゃいるが……



これが一目惚れってやつなのか?



たいした経験がない俺にはさっぱり分からねぇ。



『平仮名とかカタカナとか漢字みたいな区別はあるのかな……。それとも、英語みたいな単語になってるのかな……。』



そんな俺の想いなど知る由もない当の本人は、隣で文献を見ながら一人ブツブツ言ってる。



一生懸命なその姿が可愛くて、少しおかしくて思わず笑っちまう俺。



「ハハッ。お前何の為に一緒にいるんだよ?分からねぇんだろ?貸せ!」



そう言ってミサキが持っている文献を取り、胡座を掻いている俺の膝に乗せる。



「最初から読むぞ?」



一番最初の文章をなぞるように指差し、ミサキを見る。



『よろしくお願いします。』



まるでミサキの姿は、聞き分けのいい生徒の様で、コクンと首を縦に振った。




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