• テキストサイズ

【進撃の巨人】ジャン・キルシュタイン

第5章 座学






講義は夕方まで続き、文献の文字が分からない私は、用紙に教官からの口頭での説明をメモしながら、必死に文献と照らし合わせた。



「今日の講義はここまで。」



文献を閉じ、講堂を出て行く教官の姿に、周りも椅子を引き始める。



私も、開いていた文献を閉じ、隣で完全に目を瞑っているジャンの肩をソッと叩いた。



『ジャン?』



今日は天気が良くて、ポカポカしているのも手伝ってか、ジャンの瞳が開く様子はない。



目を瞑っているジャンの顔は、いつものキツイ顔と違って、少しだけ幼く見えた。



『ねぇ、ジャン。みんな兵舎に戻ってるよ?』



少しだけジャンの身体を揺らすと、頬杖を付いていた手から顔が離れ、カクンとなる首に、ジャンはビックリして目を開く。



「……あれ。終わっちまったか?」



『もぉー…。寝ちゃってたでしょ?』



「バッ……!!寝てなんかねぇよ!!」



隠し切れてない焦り顔。

頰を赤くさせるジャンの姿に、思わず口元が緩んでしまう。



……頬っぺた、シワ付いてる。



『私達も行こ。』



「お前、何だよその顔……。馬鹿にしてんだろ。」



笑う私の頭を、ジャンはクシャリと撫で、目を細めて溜息を吐いた。



マルコとコニーは先に出たみたいで、講堂にはもう私とジャンの2人だけ。



椅子を引くジャンに合わせ、私も文献を持って立ち上がる。



ジャンは今日の講義の内容、分かってたのかな?



メモ取ってるの私だけだったし、周りはみんな分かった顔で聞いていたから、分からなかったのはもしかして私だけ?



/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp