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【進撃の巨人】ジャン・キルシュタイン

第4章 適正試験








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翌朝。



前日からの適正試験の続きで、出来なかった者が呼ばれる中、エレンの名も呼ばれる。



俺の隣には、少しばかり緊張した表情のミサキ。



いや、ミサキだけじゃなく、ミカサやアルミン、ライナーやベルトルトまでもがエレンの試験を見守る。



ぶっちゃけ、俺は落ちようが受かろうがどうだっていいんだ。



むしろ、落ちて開拓地へ戻ってくれた方が、目障りなバカがいなくて清々する。

……と言うより、何かとミカサと行動を共にしているミサキの近くに、必然的にミカサと親しいあいつまで側にいる事が、無性に腹立たしい。



……分かってんだよ。

嫉妬してるって事くらい。



例えミサキが俺の事を友達だと言おうが、俺はあいつの一番近くにいたい。

そんな事、俺の独りよがりなワガママだとしても、それだけは譲れねぇ。



「エレン・イェーガー。覚悟はいいか?」



低い教官の声がやけに耳に残る。



「立体起動装置を操ることは兵士の最低条件だ。出来なければ開拓地に戻ってもらう……いいな?」



エレンに向けられた教官の問い。



「はい!」



不安気だが、答えたエレンの瞳は力強く……



ベルトの位置がどんどん上がって行く中、エレンは両手を広げ、文字通り[身体全体]でバランスを取った。



「「「おおおぉぉぉ!」」」



周りに沸く歓声。



一体何に感心してんだか。

そんな状態で、バランス取るのに必死こいてるようじゃ、本物の立体起動装置なんざ付けれねぇんじゃねぇのか?



バランスだけに集中して、どうやってお前が好きな巨人共に立ち向かうんだよ。

奴等は攻撃体制が整うのを待ってくれるような、マナーの行き届いた獲物じゃねーんだぞ。



周りとは違う俺の視線の先。



エレンは勢い良くバランスを崩し、また昨日と同じく逆さにぶら下がった。



ハッ……。

言わんこっちゃねぇ。



テメーは明日からは開拓地行きだ。



「……ワグナー。イェーガーとベルトの装備を交換しろ。」




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