第4章 適正試験
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飯を食い終わると、ミサキは『ちょっと、行きたいところがあるから。』と言い残し、先に出て行った。
俺とマルコとコニーは、男子寮に戻りそれぞれ寛ぐ。
ベッドに横になるも、ミサキの言った『友達』と言うワードが脳裏をグルグルと駆け巡り、頭から離れない。
……友達ってなんだ?
自分でミサキに説明していながらも、その意味が分からなくなる。
確かに、あいつが楽しいと思う時や、辛いと感じた時……
側にいたいと思う。
でもそれは、他のヤツらと同じなんかじゃなくて……
俺は……
俺だけのミサキが知りてぇし、ミサキの一番側にいるのも、俺でありたい………。
親友って言うのか……?
いや、何か違ぇーだろ………。
俺は───……
「な、なぁ。コニー、ジャン、姿勢制御のコツを教えてくれないか?」
フイに投げ掛けられた声。
枕に沈めた頭を起こし、視線を向けると、頭に包帯を巻いたエレンがつっ立っていた。
ミカサとミサキに担がれ、兵舎に帰って来た光景を思い出し、胸の奥がムカムカする。
なんだってこんな野郎なんかと……
男のクセに、女に担がれやがって。
ミサキもミサキで、こんな野郎の肩を抱くなんて、マジで有り得ねぇ。
眉間に深くシワを寄せる俺を、コニーがチラリと見て、エレンに向き直った。
「コツだって?悪りぃけど、俺……天才だから。“感じろ”としか言えん。」