第4章 適正試験
チラリと隣のテーブルに目を向けると、どうやら今日の事が相当応えてやがるみてぇで、死んだ魚みてぇな目をしたエレン。
ハハッ。
中々笑えるぜ。
明日にはもう目障りなエレンの姿も視界に入る事はないと思うと、自然と口角が上がる。
顔面蒼白なエレン。
周りからは
「あいつ昨日、巨人を皆殺しにするとか言ってたやつだよな?」
「それがあの初期の姿勢制御訓練で死にかけたんだと」
「本当かよ。あんな事も出来ねぇ奴がいるのか」
と、ひそひそと噂されてる。
ザマァ見ろ。
『じゃぁ、ジャンもコニーもマルコも、私の友達になってくれる?』
隣から聞こえた言葉に振り返ると、目をキラキラさせ、微笑むミサキの顔。
「もちろん!」
「あったり前だろー!」
マルコとコニーが笑う中、俺は素直に頷く事が出来なかった。
………友達?
確かに、守ってやりてぇとか、側にいてぇとは思うけど、俺はみんな同じ友達の一人になる……のか?
『ジャン?』
ミサキが不安そうな顔をする。
「あぁ、そうだな。」
その想いに蓋をするように、俺は笑ってミサキの頭をクシャリと撫でた。