第4章 適正試験
『また後でね!』
ミサキはミカサとアルミンに笑うと、やっとエレンから離れた。
遠くなるエレン達の姿を確認してから、俺は大きく溜息を吐く。
「お前、他人の事なんかほっとけよ。」
ましてやエレンなんざ特に。
『あ……。え…だって、友達に………なったから。ジャンも私の事放っておかなかったでしょ?』
ぐっ……
確かにそうだけどよ。
……何か腑に落ちねぇ。
ミサキがエレンなんかと関わるのが胸糞悪くて仕方がねぇ。
『……私、友達って初めて出来た。あ、まだ友達って言えないかな?……変かな?』
ミサキの口から漏れた驚愕な事実に、俺はポカンと口を開けた。
初めて……って…?
……どんな人生送って来たんだよ。
あ。
過去の事、覚えてねぇから初めてっつー事になるのか?
俺は短く息を吐き、困ったように笑うミサキの頭をクシャっと撫でた。
「オラ。飯行くぞ。」