第4章 適正試験
[マルコside]
昨日、コニーがミサキの事を
「絵から出た天使みたいだな。」
と話していたが、実際会ったミサキ・サカシタと言う人物はどこかよそよそしくて、悲しそうに笑う女の子だった。
笑顔が、ではなくて、あまり上手く表現出来ないんだけど、瞳が、僕から見たら悲しそうに見えたんだ。
何でそんな瞳で笑うんだろう。
その瞳の奥で何を想っているのかは分からないけど、強く触れたら壊れてしまいそうで……
離れたらどこかにいなくなりそうで……
側にいてあげたいと思った。
これから三年間ここで訓練して、危険な事や辛い事があるかも知れない。
でも……
その時は近くにいたい。
そう思った。
ミサキの右側にジャンが、左側に僕が並ぶ。
これも何かの縁だと思うから、どうせなら、ここにいるみんなで適正試験に合格したい。
ジャンが呼ばれ、コニーが呼ばれ、ミサキが呼ばれた。
次々に名前が呼ばれる中、3人共難しそうな顔をしているけど、何とかバランスを取れているみたいで胸を撫で下ろす。
でも、隣ではエレンが逆さにぶら下がっていた。