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恋歌 《気象系BL》

第6章 desire


智さんに手を引かれたまま、智さんの部屋まで戻ってきた。

さっき見たふたりの姿が頭から離れず、何も言葉を発することが出来ずにいた。

ソファまで連れて来られ、座らされる。

「翔?大丈夫?」

智さんが心配そうに声を掛けてくれるけど、どう答えていいのか分からなかった。

大丈夫なのは大丈夫…ふたりが付き合ってるのは知らなかったけど、雅紀が二宮さんを好きなのは知ってたし

俺も智さんと付き合ってること、黙ってたんだからお互い様なんだけど…

でもふたりのキスシーンと、二宮さんの表情が忘れられなくて、俺の体の奥のむずむずが収まらない。

「翔?」

再び名前を呼ばれても、顔をあげることも出来ない。

智さんの手が俺の頬に触れた…

いつもの事なのに、何故か体がびくっと動いてしまった。
視線を上げると智さんと目が合う。

「そんな顔すんなよ…」

智さんが困った顔をした…
また俺、智さんを困らせてる?
俺、今どんな顔してるんだろ…

智さんの手が頬に添えられたまま近づいてきた…

いつもみたいにドキドキはしてる……でも…

智さんの唇が触れ、離れていくのを目で追った…
真剣な表情をした智さんが、じっと俺のことを見る…

「あのふたりに刺激受けちゃった?
今の翔、すっげぇ色っぽい…」

色っぽい?そんなこと今まで言われたことない…

「そんな顔されたら、俺、我慢できないよ…」

頬に触れていた智さんの手が顎に移動した…
指に少し力が加えられ、唇が薄く開いたところへ智さんの唇が触れ、いきなり舌が侵入してきた。

吃驚して体を後ろに引こうとしたら、それよりも早く智さんの腕が背中に回って動きを押さえ込まれた…

「んっ、」

智さんの舌が口の中から出ていく…

「逃げないで…」

唇が触れそうな距離で、切なげな声で囁かれたら
体のむずむずが一層酷くなった

再び唇が塞がれ智さんの舌が入りこんで来る…
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