第35章 sweet
本当ならあのまま眠りに就きたいところなんだけど、今日はナカに出して貰ったからふたりでお風呂に入り直した。
智さんの胸に凭れながら入るお風呂も幸せな時間。
少し気になってたことを智さんに聞いてみた。
「智さん…」
「ん?なに?」
俺の腰に腕を回し、耳元に唇を寄せて話す。
「あ、んっ…擽ったい…」
「ごめん、ごめん。で、なに?」
「雅紀が俺を見てエッチしたくなったって言ってたでしょ?」
「うん。だってお前、エッロい顔してんだもん」
謝ったくせにまた俺の耳元で話す智さん。もぉ…絶対わざとでしょ?言っても無駄だとわかった俺はそのまま会話を続けることにした。
「どんな顔をしていたかわかりませんけど…でも、智さんも二宮さんが色っぽい顔してたらエッチしたくなります?」
「なるわけないじゃん」
「どうしてです?」
「だからぁ、俺は翔だから好きだって嫌ってほど言ってるだろ?別に男が好きな訳じゃないんだから、ニノが色っぽい顔しても俺はなにも感じないよ」
「そうですか」
「安心した?俺がニノ相手に色気感じなくて」
何でこんな質問をしたのかわかっちゃった?
雅紀が俺を見てエッチしたくなったって聞いたとき、智さんが俺以外の人を見てエッチしたくなったって言われたらちょっと嫌だなって思ったんだ。例えエロ本と一緒だとしても他の人を見て反応して欲しくない。
「お前以外の奴には何も感じないよ。他の男を抱きたいと思ったことなんてないし、お前の躰知っちゃったら、今更女性を抱きたいとも思わない。
大体俺たち結婚してんだぞ?この先も俺が抱くのは翔…お前だけだよ」
俺もそう…智さん以外の人に抱かれるなんて無理だし、誰かを抱くのも無理…今日、智さんに抱かれて改めてそう思った。
顔だけ振り返り智さんを見上げた。
「智さん…これからもい~っぱい愛してくださいね?」
「珍しいな?誘ってんの?」
「ふふっ、今日は智さんの誕生日だからお祝いしないとね。一年で一番幸せな日にしましょ?」
死がふたりを別つまで…最愛のあなたとより多くの幸せを積み重ねていきたい。
そう願う俺の唇に、またひとつしあわせが降ってきた…
End🌸