第34章 10年越しの告白
「……から…」
俯く翔さんがボソッと答えてくれたんだけど
「え?なに?小さくて聞こえないよ」
翔さんは勢いよく顔を上げると顔を真っ赤にして叫んだ。
「はじめからだよっ!」
「…へ?はじめから?」
まさかの答えに驚くことしか出来ない。
「はじめからだよ!悪いかっ!」
「いや…悪くはないけど…どのはじめ?」
「…入学式の壇上でお前のこと見たときから…」
「………はあっ⁉」
視線を下に向け恥ずかしそうにフォークでパスタをかき混ぜてるその姿は可愛いんだけど、驚き過ぎて一瞬思考が停止したわ!
「どういうこと?」
「だから、入学式の挨拶するときに新入生を見渡してたら眠そうにしてる潤が目に入ったの、で、気になって見てたら俺が話し出した途端目を開けてその視線というか目力にドキッとしたんだ…そこからドキドキが止まらなくなって。
そしたらいきなり告白して来るし…」
「だったらすぐにオッケーしてくれても良かったじゃん」
「だからお前の気持ちが本気かどうか知りたかったんだよ…お前が本気じゃなくてすぐ捨てられたら俺、それこそ立ち直れなくなる…」
さっき言ってたやつか…確かに翔さん側が好きで相手に遊ばれたとなったらトラウマになるレベルだよな。
慎重に慎重を重ねた結果な訳か。
「でもさ、もうちょい早く教えてくれても良くない?俺、相当頑張ってたよね?」
「ごめん…だって追ってくれてるうちは俺のこと好きってことじゃん」