第34章 10年越しの告白
「でもさぁ、今までに俺以外いなかったの?翔さんに告白し続けるヤツ」
「いないよ…大体さぁ、男が男相手に恋するなんてそうそうないだろ?」
翔さんはパスタをクルクルとフォークに巻き付け口に入れた。
そんなに入れて喉詰まらせないのかなっていつも思うんだけど。
「高校の頃は何人かいたんでしょ?」
モグモグしながら頷いた。その顔何度見ても可愛いんですけど。
「あれは男子校だからだよ」
「男子校だから?」
「そ…俺さ入学してすぐの頃聞いちゃったんだよね、多分先輩だと思うんだけど『櫻井となら俺ヤれるな』って言ってるの」
「え?どういう意味?」
「男子校だから女の子と恋愛するの難しいだろ?でも高校生って性的なことに興味持つじゃん。
で、好きな気持ちはなくてもエッチだけしたい奴等もいるんだよ。でもさ、それをされるこちらとしては気持ちもない奴等になんでヤられなきゃいけないんだって思うわけじゃん」
「そりゃそうだ」
「『好きだ』って近付いてきても一度お試しされて『はい、さよなら』なんて絶対嫌だって思って断り続けてた。本気で好きじゃない奴等は毅然な態度で冷たくあしらうともう来ないんだよ」
「そうだったんだ…」
「だからお前だけだよ、俺に10年間好きだって言い続けてるの」
翔さんはまたパスタを思いっきり口に頬張った。
「じゃあさ、いつ俺にヤられてもいいと思ってくれた?」
「ゴホッ…」
「大丈夫?翔さん、そんないっぱい入れるから」
突然むせた翔さんに水の入ったグラスを差し出した。
翔さんはそれを受け取り流し込む。
「はぁ~…お前が変なこと聞くからだろ?」
「だって知りたいじゃん。半分寝込み襲ったようなもんだし、翔さんも無理矢理されたって思ってたら嫌だから」