第34章 10年越しの告白
3年後…
「翔さん、ごはん出来たよ…一息ついたら?」
「あ、わりぃ。今、ここ片付けるから」
「うん。どう?終わりそう?資料作り」
翔さんがテーブルに山積みになってる書類を纏め始めた。
「もうちょいで終わる」
「良かった」
ふきんを持っていくと翔さんが手を伸ばした。
「よろしく」
「おう、任せとけ」
翔さんの手にふきんを渡し俺はキッチンに戻る。
「悪かったな、休みの日に仕事持ち込んで」
「いいよ、そうしてって言ったの俺じゃん。こうでもしないと翔さんメシ抜きで仕事しちゃうでしょ?」
「でもさ、お前暇しちゃうだろ?テレビも観られないし」
テーブルを拭き終わった翔さんがキッチンへ入ってきた。
「テレビよりも翔さん見ていたいから大丈夫。
はい、これ持ってって」
サラダとフォークの乗ったトレーを渡し笑顔でそう言うと翔さんは頬をピンクに染める。
「お前はまた…」
「いくらでも言い続けますよ?翔さんが告白の返事をくれるまで」
パスタを持って翔さんの後ろについて行った。
テーブルの上に皿を置いた翔さんが俺の方を見た。
「返事したら言わなくなるの?」
「ううん、返事貰っても永遠に言い続ける」
翔さんは綺麗な微笑みを見せた。
翔さんは今の関係が始まってから艶が出て益々綺麗になった。
だから俺は気が気じゃないんだ、誰かに狙われやしないかって。
翔さんにそう言うと『そんな物好きお前ぐらいだよ』って笑われるんだけどね。