第31章 future of hope
リビングに通されるとまだ少し段ボールが残っていた。
「ごめんね、まだ終わってなかったんだ」
「そう思うならとっとと帰れ」
むすっとした智の横で優しく微笑む翔ちゃん。
「大丈夫ですよ…大体終わってますから。後は急がなくてもいい物なので」
「やっぱり優しいね、翔ちゃんは。なんで智なんか選んだの?」
「なんかってなんだよ!」
「だって、さっきから機嫌悪いし」
「はぁ…あのなぁ、今日越してきたばっかなんだぞ?そこに乗り込んでくるお前らの方がおかしいだろ?」
「え~、大野さん冷たい~。せっかくお祝いしに来たのに」
「そうですよ、智さん。ふたりが報告しに来てくれたのにそんな態度失礼です」
「報告?なんの?」
「もぉ、気付いてないんですか?ふたりの左手」
「えっ?あっ!」
智が俺と雅紀の左手を見て驚いた。
「えっ、なに?お前らも結婚するの?」
「はい。ねぇ、カズさん」
「まぁ、雅紀が嫁に来いって言うから仕方なく?」
そう言うと智は溜め息を吐いた。
「相葉、こんな可愛くないの嫁にしたら後悔するんじゃないか?止めるなら今の内だぞ?」
「え~、こんな可愛い人他にいませんけど?」
「……やっぱお前の趣味はわからん」
智は眉間にシワをよせた。
「ふふっ、そんなことないですよ。二宮さんはとっても素敵な人です」
「ありがと~、翔ちゃん」
俺が勢いよく翔ちゃんに抱きつくと翔ちゃんはバランスを崩し後ろにひっくり返った。
「おいっ、ニノ!」
「カズさんやり過ぎ~」
翔ちゃんの上に乗ったまま抱きつく俺を雅紀が引き剥がした。
「お?珍しく相葉が止めた」
「ふふっ、雅紀もヤキモチ妬くんだって~」
「二宮さん嬉しそうですね」
智に抱き起こされニコニコ顔の翔ちゃん。
「そりゃあね…だって翔ちゃんも嬉しいでしょ?智にヤキモチ妬かれると」
智の腕の中で翔ちゃんは頬をピンクに染め頷いた。
「はい…」