第31章 future of hope
翔ちゃんがコーヒーを淹れてくれて、買ってきたワンホールのいちごのケーキを出した。
「わぁ、このケーキ前から食べたかったんです」
「でしょ?雅紀から聞いてたから買ってきたんだよ」
「ありがとうございます」
「翔、そんなこと俺に言ったことないじゃん」
「だって智さんあまり甘いもの食べないから」
「食べなくはないよ?量を食べないだけで」
「だからです。これワンホールでしか販売してないから、ふたりじゃ食べきれない」
「そうなの?」
「はい、だから買えないなぁ、って思ってて智さんには言わなかったんです」
「なんで相葉には話したんだよ」
「雅紀甘いもの好きだし、量も食べるから二宮さんの誕生日にどう?ってオススメしたんです」
「そうなんだけど、やっぱり俺もカズさんとふたりじゃちょっと…だから4人なら丁度いいかな、ってね?カズさん」
「そうそう、4人ならね?」
「そうですね、4人なら丁度いい量ですね」
「確かに4人なら適量だな」
「4人っていいですよねぇ?…と言うことで、4人で一緒に住みませんか?」
「「はっ?」」
智と翔ちゃんが同じ表情をして驚いた。だよねぇ…突然こんな話。
「冗談だろ?」
「本気です、ねっ、カズさん」
「まぁ、今すぐってことじゃないよ?行く行くの話。雅紀が大きい風呂付きの家欲しいって言うからふたりじゃ勿体ないなって」
「だから4人で家建てて一緒に住みましょ?」
「ぜった…」
「楽しそ~」
キラキラと目を輝かせた翔ちゃんが嫌な顔をした智の言葉をを遮った。
「え、あ、あの…翔?何を言ってるかわかってる?」
「もちろんわかってますよ?4人での生活なんて絶対楽しいですよ」
「でしょでしょ?さすが翔ちゃん、よくわかってる~」
「でもね、翔…」
「駄目ですか…?」
翔ちゃんが悲しそうな瞳で智を見つめると智はガクンと肩を落とした。
「駄目…じゃない…」
「よかったぁ…ありがとうございます、智さん」
翔ちゃんが智の手を両手でしっかり握ると智はやれやれといった表情で微笑んだ。
「「やったねっ」」
「言っとくけど今すぐじゃねぇからな!」
「「わかってますって」」
「ふふっ…」
最愛の人と最良の友人と共に歩んでいく希望ある未来…
この4人でなら最高に楽しい生活が待ってるよね。
End