第29章 可愛いアナタ
翌週月曜日、翔ちゃんとの甘い週末を過ごした俺はご機嫌で出社した。
「おはようございます、相葉さん」
俺のデスクの横に立ち挨拶をしてきた菊池。
「おはよ」
「その様子だと俺の置いてきたもの役に立ったみたいですね?」
「おう、ありがとな」
「お礼を言うのは早いのでは?」
苦笑いをする菊池…なんでだ?あんなエロくて可愛い翔ちゃんを週末堪能しまくったんだぞ?お礼を言わずに何を言うんだ?
「何か問題あるのか?」
「あれ?気がついてないんですか?あんなフェロモン出しまくってるのに」
菊池が少し目を見開くような表情をした。
「フェロモン?」
「はい。課長今まで女性から狙われてましたけど、あの感じだとこれからは男性にも狙われますよ?」
「えっ⁉マジで?」
「マジです。男を受け入れたせいでしょうねぇ…半端なく色気が漂ってますよ?」
「どうしよう…」
翔ちゃんと結ばれたことに浮かれてて翔ちゃんの雰囲気が変わったことを気に留めてなかった。
菊池に言われて翔ちゃんの方を見てみれば確かに今までとは違う艶の様なモノが…
「どうしようもないですね。少なくとも欲求不満にしないように相葉さんが頑張るしかないのでは?あれで欲求不満が表に出たらあちこちから魔の手が伸びてきますよ?」
「そっか、わかった…ありがとな、菊池」
「いいえ~、俺は自分の為にアドバイスしたまでです」
「自分の為?」
「ええ、課長がフェロモン撒き散らすと俺にいい男が回って来なくなるんで…女性は沢山居てもそっち系の男性を探すのは大変なんですよ?」
「だろうな…」
「でも課長の場合、そっち系の男性じゃなくてもいけるかも…俺もあんな可愛い課長なら抱く側に回ってもいいかな」
「へっ?」
菊池はニコッと笑ってそう言った。