第29章 可愛いアナタ
「ただいまぁ~」
今までよりも一段と可愛い翔ちゃんの声が聞こえた。俺は急いで玄関へ迎えに出る。
「お帰り、翔ちゃん」
ニコッと笑い両手を広げる翔ちゃんに近づくと翔ちゃんは俺の首に腕を回し抱きついてきた。俺は翔ちゃんの背中に腕を回し抱きしめる。
「雅紀、お帰りのチュウは?」
俺の耳元で翔ちゃんの可愛いおねだりが聞こえる。
翔ちゃんの肩に手を添え少し身体を離すとチュッとキスを落とした。
「え~、それだけぇ?」
唇を突きだして不満そうな声をあげる翔ちゃん。
「今これ以上したらごはん食べないでしょ?」
「そんなことないよっ」
「そんなことあるでしょ?昨日もその前も晩ごはん食べなかったじゃん」
「むぅっ…」
「そんな可愛い顔しても駄目だよ?ほら、着替えてきて?ごはんにしよ?」
リビングに向かって歩き出したのに翔ちゃんが歩き出す気配がしない。
振り返ると翔ちゃんが頬っぺたを膨らせたまま立っていた。俺は翔ちゃんの元に戻りそっと抱きしめた。
「ごはん食べたら翔ちゃんの望むこと何でもしてあげるから…早く着替えておいでよ」
「うんっ、急いで着替えてくるっ」
さっきまでの表情が嘘のように笑顔に変わった。翔ちゃんは俺の腕の中から出ると小走りで階段を上がっていく。
「さてと、ごはんの用意しますか…」
食後のスイーツは用意しなくなった。
だってスイーツよりも甘い時間を翔ちゃんと過ごすから…スイーツを食べてる時間さえ惜しいんだ。
「雅紀、早くごはんにしよっ!」
着替えを終えた翔ちゃんがキッチンへ入ってくると俺の背中に抱きついた。
「大好きっ雅紀」
「俺も大好きだよ、翔ちゃん」
どんなに色気が増そうともこんなに可愛い翔ちゃんを見られるのはやっぱり俺だけの特権。
今夜もふたりきりであっまあまのスイートタイム過ごそうね♪
End