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恋歌 《気象系BL》

第28章 forever


《智side》

翌朝、少し早めに家を出て電車に乗った。
下りの電車は空いていてまだ人は疎らだった。

「智さん、今日はどこへ?」

「秘密…って言ってもすぐにわかると思うけど」

翔も行ったことがある場所だから景色を見てればすぐにバレるだろうな。

「俺も知ってる所ですか?」

「うん…知ってるよ」

ずっと考えていた…桜が咲いたらふたりで行きたいって。
何年振りだろうあの場所に行くのは…

電車を乗り継ぎもうすぐ目的地の駅に着く。
さすがに翔も気が付いたみたいで

「智さん…」

俺を見つめる瞳が少し潤んでた。

「わかる?これから行く場所」

「勿論です…智さんとまた一緒に見れるんですね」

「うん、今週が見頃らしい…」

桜の花が楽しめるのは約2週間。
俺はこの場所の開花予報をずっとチェックしていた。
桜が咲く時期、翔と出逢った場所にふたりで訪れたいと思って。

子供の頃の記憶を辿り田舎道を歩いた。少しだけ変わってしまった風景。
でも東京よりは遥かに喉かで、人の通りも少ない。
翔の手を捉え握ると翔はちょっと驚いたようだった。

「智さん?誰かに見られたら…」

「誰に見られても俺は大丈夫だけど?翔は気にする?」

翔は少し考えたあと首をふるふると横に振った。

「いいえ…気にしません…」

翔の自信に満ちた笑顔…やっと俺の愛を信じて受け止めるようになった?

お前に注いできた愛情はお前を強くすることが出来た?
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