第28章 forever
《翔side》
「はぁ~、あんたも選んだ相手が悪かったね?こんなイケメンなのに…」
二宮さんは潤を責めるかと思ったのに、逆に気の毒そうに潤を見た。
「だろ?こんなイケメン振るなんて勿体ないだろ?」
潤も潤でいつもの自信満々な態度。
「まあ、こんだけイケてるんだからすぐにイイ人見つかるよ」
「カズさんが慰めてくれてもいいけど?」
「だーかーらー!それは駄目って言ってるだろ⁉」
雅紀が二宮さんを再び腕の中に匿う。
「だってさ」
嬉しそうに笑う二宮さん。
「なんだ、ざ~んねんっ!」
笑顔で答える潤…いつもの潤だ。
「じゃあ、俺そろそろ行くわ。
ここに居ても新たな恋は始まらないみたいだし」
「おう!とっとと帰れ!」
口ではそんなことを言う雅紀だけど表情は優しい笑顔で、昔からの友情は壊れずに済んだようだ。
潤が立ち去った後4人で駅に向かった。
「それにしても翔ちゃんも大変だよねぇ…次から次へと襲われて」
「襲われるって…」
智さんが苦笑した。
「実際襲われてるでしょうが…しかも自分の恋人にまで襲われてんだから」
「俺っ⁉」
「何?他人事だと思ってたの?あんな濃いキスマーク付けちゃって。襲ったって言われても仕方ないでしょ」
「えっ⁉二宮さん知ってたんですか?あのキスマーク、智さんが付けたって」
「うん、知ってたよ?智に白状させたから」
優しく微笑んでくれる二宮さん。知ってたのに本当のことを言わなかった俺を責めないでいてくれたんだ。
「ごめんなさい、二宮さん…本当のこと言わなくて…」
俯いた俺を突然抱きしめてきた二宮さん。
「もぉ、翔ちゃん可愛すぎ~!」
「やめろっ!ニノ!」
慌てて二宮さんを引き離そうとする智さん。
「え~?相変わらずケチ~」
「ケチじゃねぇ!相葉!笑って見てないでお前もとめろ!」
「え~?勿体ない~可愛いのにぃ」
「もう、勘弁してくれ…」
肩を落とす智さんを見て3人の笑い声が重なる。
今までの人生で愛した唯一の人、それに理解し合える友人たち…この人たちに出逢えた事を心の底から感謝した。