第28章 forever
《智side》
月曜日、翔のキスマークはまだくっきりと残っていて、しかもとても隠せるような場所ではなかった。
まあ、これで翔に彼女がいると噂がたてば俺としては安心な訳だけど。
それにしても目立ち過ぎか…
それなのに出社した後、翔の首にあるキスマークが薄くなっていた。
はて?あんなに急激に薄くなるものなのか?
そんなことを思っていたらニノに呼ばれ廊下に出た。人気の少ない所まで連れて行かれるとそこには相葉もいた。
「翔ちゃんのキスマーク少しだけど薄くしといたから」
ニノに言われ、急に目立たなくなったキスマークの理由がわかった。
「悪いな、いつも」
「イヤ、あれは翔ちゃん可哀想だわ…あんなに濃く残されるなんて…どんだけ強く吸われたんだか」
ニノが凄く気の毒そうな表情を浮かべたから、俺のせいだとは言いずらくなった。
なのに…
「でもあれ、大野さんですよね?」
相葉の奴が余計なことを!
「はぁ⁉だって雅紀、潤が付けたって…」
ニノが相葉の顔を見た。
「ええ、確かに潤が付けましたよ?でもあんなに濃くなかった。
昨日翔ちゃんに会わないで帰ったから見てなかったけど、確実に一昨日より濃くなってる。
それって大野さんが付け直したからでしょ?」
ジロッと俺を見るニノ…あ~、あっさりバレた。
ニノは『はあ~』っと大きな溜め息を吐くと苦笑いした。
「しょうがないなぁ、翔ちゃんに免じて責めないでやるよ」
「翔に免じて?」
「うん…キスマーク消してるとき、翔ちゃんちょっとソワソワしてたんだよね。
何かあるのかなぁ?って思ったんだけど、色々あった後だから翔ちゃんが話してくれるの待ってたんだ。結局何も言わなかったけど。
でも今のでわかった…たぶんこの事がバレたら俺が智をイジルのわかってたんだ。
だから言いたくても言えなくて…俺に対して罪の意識感じてソワソワしてたんじゃないかな?
でもそれよりも智への愛が勝った、ってことだろ?
だから翔ちゃんの智への愛に免じて許してやるよ」
ニヤッと笑ったニノに感謝した。
それと俺を守ろうとしてくれた翔にも。