第28章 forever
《翔side》
「二宮さん、お疲れさまです」
「お疲れ、翔ちゃん。そんな可愛い顔してたら智に襲われちゃうよ?」
可愛い顔?俺が?
「こんなところで襲うかよ…相葉じゃあるまいし」
「え~、俺だって襲いませんよ~他の奴らに綺麗なカズさん見せるわけいかないし」
「へぇ、この人がカズさんなんだ。女装してなくても可愛いな」
潤がそう言うと雅紀は慌てたように二宮さんを腕の中に隠した。
「潤、カズさんは駄目だからなっ」
「ははっ、わかってるよ…俺だってそこまで見境なくないから」
二宮さんが腕を突っ張り雅紀の腕の中から出てくると潤の前に立った。
「あんたが潤?翔ちゃんにキスマーク付けた」
そう…月曜日になってもあれだけ濃く付けられたキスマークは消えるはずもなく、あっさりと二宮さんに見つかった。
『翔ちゃん、それ…目立つね』
雅紀から事情を聞いていたようで、二宮さんはからかうでなく悲しそうな目でそのキスマークを見てた。
俺としては智さんに付けられたものだからむしろ嬉しかったりするんだけど、それを二宮さんに言ったら智さんが責められるだろうな。
同情してくれた二宮さんには申し訳ないけど敢えて否定はしなかった。
しかも『それ化粧で誤魔化せるよ』ってアドバイスまでしてくれて、化粧品まで持参してくれてた。
とても心苦しかったけど、智さんの為にやっぱり本当のことは言えなかった。
まさかこんな所で潤と二宮さんが顔を合わせることになるなんて…
どうしよう、二宮さんが潤を責めたら…