第28章 forever
《智side》
翔が相葉を抱きしめた…いつもだったら許さない行動。
でも今日は違った。
翔の気持ちがわかったから…たぶん今の翔の気持ちは俺と一緒のはず。
相葉にいくら感謝しても感謝しきれない…言葉じゃ伝えきれなくて態度で示したんだ。
相葉の話を聞いて今までのことも納得した。
『翔に穢れて欲しくない』…その思いで相葉はずっと翔のことを見守り続けてくれてたんだ。
「……俺だって…」
俯いた松本が何か呟いた。
「なに?」
相葉が聞き直すと松本は顔をあげ哀しそうな表情で翔を見た。
「俺だって翔は綺麗なままで居てくれると思ってたよ、雅紀だって可愛いままだって言ってたから…なのに恋人が出来て、しかもそれが男⁉
『俺の翔』が男に穢されてたなんて…俺は何の為に遥々アメリカから翔を迎えに来たんだよ!」
「それは潤の理想を勝手に翔ちゃんに押し付けてるだけだろ?飲み屋でも言ったけど、翔ちゃんだって大人になってるんだ」
「だったら最初からそう連絡よこせよ。『相変わらず可愛い』なんて期待させる雅紀が悪い」
「普通に考えたらわかるだろ。成人越えてるんだぞ?普通だったら遊びで恋人の一人や二人経験してたっておかしくない年齢だ」
「じゃあ穢れてるじゃねぇか。実際恋人いるんだから十分穢れてるだろ…だったら俺の相手してくれても良いよな?ずっと想い続けて来たんだ、それくらいしてくれたってバチは当たらねぇよ」
「だから『普通だったら』って言ってるだろ?翔ちゃんのことを穢れてないって言ってるのはそこなんだよ」
「はぁ⁉意味わかんねぇ…まだ肉体関係ありません、とか言わねぇだろうな?そこまで綺麗なままでいるんなら俺も襲ったこと悪かったって謝るよ」
「もちろん言わないよ。でも翔ちゃん生まれてから今までその人しか好きになったことないんだ…告白されて何人かの女の人と付き合ったけどキスさえしないでみんな別れてる」