第28章 forever
《智side》
「雅紀!」
翔が振り返り突然相葉の名前を呼んだ。
そういえば相葉の奴どうしたんだ?翔の視線の先を追うと横たわってる相葉がいた。
「相葉⁉」
こんだけの騒ぎになってるのに起きないなんておかしい。
「智さん!雅紀薬飲まされてるんです」
「薬?」
「はい、たぶん睡眠薬を…」
相葉の元へ近付くと規則正しい呼吸音。無理矢理起こさない方がいいのか?でももし量を多く飲んでいたりしたら命に関わる。
「相葉…」
肩の辺りを手で揺らしてみた。
「んっ…」
相葉の眉間に皺が寄る。もう一度肩を揺らした。
「相葉、大丈夫か?」
相葉の瞼がゆっくりと開いていった。
ボーッとはしているが俺と目が合うと口を動かした。
「ん…お、おのさ…?」
「あぁ、悪かったな…お前に迷惑掛けた」
「え?どういう、ことで、す?」
「睡眠薬飲まされたらしい…」
「睡眠薬?俺がっ⁉だから眠かったのか…おかしいと思った。こんなに目が開けていられないことなんて今までなかったから…だから寝落ちする前に慌てて大野さんにスタンプだけ送信したんです」
意識が朦朧とするなかで相葉なりのSOS送ってくれたんだ。
「ありがと、助かった」
「いいえ、翔ちゃんを守るためですから」
笑顔を見せる相葉…お前、ほんと翔のこと大切にしてくれてるよな。
翔に怖い思いはさせてしまったが、お前が必死に送ってくれたメッセージのお陰で最後の一線を越えずに済んだことを心から感謝した。