第28章 forever
「ということで、もういいかな?始めさせて貰っても」
潤がニヤっと笑うと俺の頬に手を添えた。
「や、だ…やめ、て…潤…」
首を横に振ると潤は両手で俺の頬を包み押さえ込んだ。
体をゆっくりと倒し近付いて来る潤…
「やっ…」
潤の唇が俺の唇に押し付けられた。
「んーっ!」
なんとか逃れようとしても馬乗りにされてて体の自由が利かない。
潤の体を押し返そうと伸ばした腕は潤の手によって床に押さえ込まれ、思いっきりバタつかせた足はテーブルを蹴り飛ばした。
ガシャンッ!
テーブルが跳ね上がり上に乗っていたものが辺りに散らばった。
「んっ…」
雅紀から小さな呻き声が聞こえ、その声に気を取られたのか潤が雅紀の方を見た。
「雅紀っ!」
潤の唇が離れた瞬間大声で雅紀の名を叫んだ。
「ん、ん…」
雅紀は寝返りをうっただけで起きる気配がない。
「残念だったな、いい加減諦めろ…」
潤が再び唇を合わせ、舌を使って俺の唇を割り開こうとしてくる。
「んんーーっっ!」
潤の舌を受け入れたくなくて唇を固く結び閉ざし頭を思いきり横に振った。諦めたのか潤の唇は俺の唇から離れると首筋へと移動していく。
「お、ねが…や、めて…じゅ、ん…」
智さん以外の人と初めてしてしまったキス…更に首筋に吸い付かれ悪寒がはしる。
体が小刻みに震え出し全身が粟立つ。
潤は俺の両手をひとまとめにし片手だけで頭の上で押さえこんだ。
もう片方の手がTシャツを捲り上げ手首の所まで脱がされるとTシャツを巻き付け完璧に手の動きを封じられてしまった。
露になった俺の身体を潤の舌と唇がねっとりと這い、時たまチクッとした痛みを感じる。
「や、ぁっ…や、めて…」
首を横に振ってもそんな僅かな抵抗じゃ潤の動きは止まらなかった。
…ごめんなさい、智さん…
瞼を閉じると涙が頬を伝った…諦めかけた次の瞬間、潤の体が突然俺の上から消えた。
「うわっ!」
「大丈夫か⁉翔!」
潤の驚く声と同時に聞こえたのはここにいる筈のない智さんの声だった。