第28章 forever
首筋に触れた潤の唇…そのままチュっと吸われ慌てて手で潤の体を押し、上体を起こした。
「やめろっ!」
潤の顔を睨むと潤はニヤっと笑った。
「照れるなよ…いつも彼氏とヤってんだろ?だったら大人しく俺にもヤラれてろ。今の恋人なんかよりよっぽど俺の方が気持ち良くしてやれるから」
この目は冗談を言ってる目じゃない本気の目だ…どうしたらいい…力じゃ潤に敵わない。
少しずつ後退りし、雅紀のところへ近付いて行くと潤がクスリと笑った。
「雅紀に助け求めようとしてもムダだよ?薬飲んでるからちょっとやそっとじゃ起きない」
薬⁉雅紀に視線を向け潤から気を逸らした瞬間潤が俺の腰の辺りに馬乗りになった。
「雅紀っ!起きてっ!」
大声で叫んでも雅紀はピクリともしない。
「だからムダだって…」
クスクス笑う潤に背筋が凍りついた。
「な、んで…薬、なんて…」
「ん?あぁ、ほんとはお前に飲ませる為に用意しといたの…俺の泊まってるホテルにお持ち帰りしようと思ってね。そしたら雅紀が付いて来ちゃっただろ?飲ませる隙がなくて…
でもお前が独り暮らししてるっておふくろさんに聞いてたから、だったらお前の家に泊めて貰って雅紀に寝てて貰えばイイヤってね…
お前らが着替えにいってる間に盛っておいた」
「そんな理由で雅紀に薬飲ませたの⁉」
「だって邪魔なんだもんコイツ…中学の時も翔とふたりきりになろうとすると付いてくるし、今日もそうだけどさ、昔も俺のこと見張ってる感じだったよ」
昔も?俺、昔から雅紀に助けられてたんだ…それなのに薬なんて飲まされて…ごめん、雅紀。