第28章 forever
「なんでだよ、約束しただろ?アメリカに来るって」
「それは遊びに行くってことで、潤について行くってことではないよ」
「ふ~ん、そうなんだ…でもそんなのどうでもいいよ、俺が翔を連れていくって決めてるんだから」
淡々と話す潤。昔からそうだった…潤は自分の思うように話を進める。
「勝手なこと言うなよ、俺行かないからね!」
「日本にいたって不自由だろ?男と付き合ってても隠さなきゃいけないんだから。
アメリカに行って俺のモノになれば堂々と公言できるんだぞ?」
「俺、潤とは付き合えないよ…今、付き合ってる人がいるんだ」
公言なんて出来なくていい…俺には智さんと離れることなんて考えられないんだから。
「ふっ、そんなの別れろ。俺だってアメリカに行ってから何人もの人と付き合った。でも俺の中の一番は翔だったから…お前が俺のところに来るまでの繋ぎだよ。お前もそうだろ?俺のところに来るまでの繋ぎ…」
「違うよ!なんでそんな話になるんだよ。俺、潤のこと好きだなんて一度も言ってない」
「あれ、そうだった?まぁ、そんなことどうでもいいんだけどね、翔がアメリカに来てさえくれれば」
自分の思っている事を決定事項のように話していく…最初から聞く耳を持ってない。何を言っても無駄なの?どう言ったらわかって貰える?
「それに安心しな?翔は俺の事を好きになるから…」
そう言って微笑む潤はやっぱり背筋が凍るような冷たい微笑み…思わず顔を横に背け視線を逸らすと首筋に生暖かい物が触れた。