第28章 forever
「なんのつもり?」
俺の顔の両脇に手をつき無表情で見つめる潤。何を考えているのか読み取ることも出来ない。
「なんのつもりってこの状況見ればわかるだろ。お前、男に抱かれてるよな?こういうことされてんじゃねぇの?」
「なんで⁉」
まだ智さんのことは話してないのに、なんで俺が男の人と付き合ってるってばれた?
「なんでわかったかって?そりゃわかるだろ、雅紀の携帯の写真…あれ相手写ってなかったけどお前の視線の先に相手いただろ?」
確かにいた…智さんが家に来てすぐあまりにも俺の女装を褒めるから不安になって泣いたんだ。
そしたら智さんが相手が俺だから嬉しいんだって言ってくれて、それを聞いたら俺も嬉しくなって…たぶんその時撮られた写真。
「あの表情見ればわかるよ…好きな人に向けられた笑顔だって。しかもお前言ったよな、結果的に良かったって。それって雅紀と同じで外でのデートを楽しんだってことだろ?だとしたら相手は男だろうが、違うか?」
別に隠すつもりはなかった。わざわざ言うほどでもないと思っただけで。
でも、さっきまで無表情だった潤の瞳は、明らかに怒りの光を宿している。
俺が内緒にしていたことに対しての怒りなのか、それとも俺が男性と付き合ってること自体への怒りなのか、どちらなんだろう…
雅紀の恋人が男性だって知ってもなんの抵抗もなく受け入れてた、って事はやっぱり俺が隠し事したから?
「潤、内緒にしててごめん…別に隠すつもりじゃなかったんだよ?ただわざわざ話す必要もないかと思ったから…」
そう言うと潤は目を見開いた。
「話す必要がない?やっぱりお前にとって俺はその程度の存在?翔…お前、俺と一緒にアメリカに行くんだよな?」
「何を言ってるの?さっきもそんなようなこと言ってたよね?俺、潤と一緒にアメリカなんて行かないよ?」