第28章 forever
着替え終え飲み始めてからそれほど経たない内に雅紀がウトウトとし始めた。
「雅紀?大丈夫?眠そうだけど」
雅紀と飲むことは何度もあったけどこんなに早い段階で、というか雅紀が眠そうにする姿自体始めて見た。さっき自分でも『飲み明かそう』って言ってたのに。
「ごめ…しょ、ちゃん…なんだか、瞼、が、お、もい…」
テーブルに突っ伏し完全に目を閉じてしまった雅紀。疲れてたのかな?
「なんだよ、口ほどにもねぇなぁ」
潤がつまみを口に運びながら苦笑した。
「こんなこと今までなかったのに…疲れてたのかな?」
「かもな…週末だし、疲れも溜まるだろ?そのまま寝せといてやれよ」
「ん、そうだね…何か掛けるものだけ取ってくる」
寝室に行き毛布を取ってくると潤が雅紀の体を横たわらせていた。
「さっきの格好じゃ寝ずらいだろ?」
「ありがと」
横になった雅紀に毛布を掛け元の位置に戻ると潤が俺の横に移動してきた。
「翔、乾杯しよ?」
「え?また?」
「そ、また…何度でも乾杯したい」
「ふふっ、いいけど今度は何に乾杯?」
「翔とふたりきりになれたことに乾杯」
ニヤっと笑った潤が俺の肩に腕を回してきた。
「え、あの、ちょっと、潤も…酔ってる?」
潤の腕から逃れようと身を捩ると潤の手に力がこもる。
「俺?酔ってないよ?そんな飲んでねぇもん」
潤は俺の肩に顎を乗せ唇が今にも俺の耳に触れそうな距離で話始めた。
「ちょっ!潤、近い!」
潤の体を離そうと押したけどびくともしない。
「翔が悪いんだよ?俺との約束忘れて違う男と楽しんでるから…」
潤は手に持っていたビールをテーブルに置くと俺の持っていたビールも取り上げテーブルに置いた。
「アメリカ、付いて来てくれるんだよね?」
「えっ⁉」
肩を抱かれたまま体重を掛けられ押し倒された。目の前にはさっきと同じ冷たい目で俺を射ぬくように見つめる潤がいた。