第28章 forever
「もう大学卒業してから一年経つし、待ちきれなくて迎えに来たんだよ?」
「ごめん…すっかり忘れてた。でも今度はちゃんと約束守るから」
長い休みが取れたら智さんにお願いして今度はアメリカ旅行に行って貰おう。
「うん、いいよ…翔がちゃんと約束さえ守ってくれれば、許してあげる」
優しく微笑み許してくれた潤にほっと胸を撫で下ろした。
「ありがと」
「なぁ、翔…今独り暮らししてるんだろ?」
「うん、そうだよ」
「ならさ、今日泊めてくれね?」
「え?今日?」
明日、智さんのところへ早く行きたかったのに…どうしよう、でも約束も忘れちゃってたしな。お詫びじゃないけどそれくらいしてもいいかな。
「潤、お前ホテル取ってんじゃねぇの?」
「取ってるけど久し振りなんだからもっとゆっくり語り合いたいじゃん」
「いいよ潤。何もないけどそれでいいなら家においでよ」
「翔ちゃん、だったら俺も泊めて!」
「うん、勿論いいよ…コンビニで何か買って帰ろ?」
雅紀がほっと息をついたあと俺を見て苦笑いをして呟いた。
「これだから…やっぱ俺が来て正解だったわ…」
なに?雅紀が一緒に来るって言ったのって何か理由があったの?ただ単に潤に会いたいからだと思っていたんだけど、違うのかな?
「じゃあ早速翔の家行こうよ。その方が落ち着いて飲めそう」
「うん、わかった」
会計を済ませ店を出ると途中コンビニに寄りマンションへ向かった。