第28章 forever
《智side》
翔を見送ったあとニノと一緒に駅に向かった。
「智、翔ちゃん居なくて暇なんだろ?たまにはふたりで飲みに行く?」
ニノにも悪いことしたよな…急に相葉のこと飲みに行かせちゃったし。
そうは思うんだけどニノと飲みに行く気にはなれなかった。
「いや、止めとくわ…誘ってくれたのに悪いな」
「ふふっ、そう言うと思った。
翔ちゃんのこと心配でそれどころじゃないんでしょ?」
「あ~、うん、まぁ…そうだな…」
「相変わらずの過保護振りだねぇ。
雅紀を一緒に行かせたのも智なんでしょ?」
「うん…悪かったな相葉借りて」
「別にいいよ、可愛い翔ちゃんの為だもん」
微笑んでるニノ。嫌味ではなく本心から言ってくれてる。
「なぁ、俺っておかしいのかな?
翔のこと信じてない訳じゃないけど心配で仕方ないんだよ」
「あ~でもしょうがないでしょ。相手があの翔ちゃんなんだもん。あんな可愛い見た目と性格してるのに警戒心ゼロだからね」
若干苦笑気味のニノ。
そうだよな、翔があんなだから心配なんだ。
いくら言っても自分が人を惹き付ける人間だってわかってくれない。
「翔が俺から離れていくとは思ってない、その心配はしてないんだ。ただあいつ隙が多すぎるから…」
「そればっかりは仕方ないんじゃないの?自分が狙われてると思ってないんでしょ?翔ちゃんらしいよね。自分の価値をわかってない…でもそこが翔ちゃんの良いところでもあるわけだし。
智もそんな翔ちゃんが可愛いんでしょ?」
「…うん」
「じゃあ智が心配し続けるしかないよ」
「だよな…」
あいつを守れるなら心配くらいいくらでもするさ。