第28章 forever
《翔side》
仕事が終わり智さんと一緒に会社を出た。
「明日は智さんの部屋に行きますね」
「うん、待ってる。何時でもいいからな?起きたらすぐ来いよ」
『起きたらすぐ来い』なんて…そんな些細な言葉さえも嬉しくなってしまう。
「翔ちゃん、お待たせ」
後ろから雅紀の声がしたから振り返ると二宮さんと一緒に歩いてきた。
「翔ちゃん、同級生と飲むんだって?雅紀のことよろしくね」
「大丈夫だよ、カズさん。俺カズさんと違って酔い潰れたりしないから」
「わかってるけど、飲みすぎは良くないだろ?
それに明日酒臭いお前と一緒にいるのイヤだもん」
少し剥れた顔をする二宮さん。本当だったら今日は雅紀と一緒に過ごす筈だったんだろうな。
「すみません、二宮さん。雅紀お借りします」
「あ~そんなの全然気にしないでいいよ~。
たまにはひとりでゆっくりしたいし」
「ひどぉい、カズさん」
口ではそんなことを言いながらも二宮さんを見る目は優しくて。二宮さんが強がってるのちゃんとわかってるんだ…
ほんとは寂しいんですよね?二宮さん。
智さんも俺が居なくて寂しいって思ってくれてるかな?
そう思いながら智さんの方を見ると俺をじっと見ている智さんと目が合った。
「智さん?」
「ん、気を付けて行ってこいよ?」
「はい、いってきます」
心配そうに声を掛けてくれるだけでまた嬉しくなった。
早く会いたいのはきっと俺の方…明日は早起きして智さんの部屋に行こう。
智さんと二宮さんと別れ雅紀と一緒に潤と待ち合わせした場所に向かった。