第28章 forever
《智side》
アイツが翔を飲みに誘ってるのが聞こえた。
ちょっと躊躇いながらも了承した翔。
「相葉…」
「はい?」
「お前も行け」
「は⁉」
「お前も同級生なんだろ?久し振りの再会なんだからお前も一緒に行ってこいよ」
相葉の方を見るとやれやれ、といった感じで俺を見た。
「わかりましたよ…行ってきますよ。確かにあの潤相手じゃ翔ちゃん食われちゃう可能性ありますしね?」
「悪いな、いつも世話かけて」
「ふふっ、いいですよ。翔ちゃんの幸せの為ですから」
ほんとに相葉には助けられてばっかりだな。
「いつかちゃんとお礼するからな」
「楽しみにしてます」
そんなやり取りをしていたら翔が走って戻ってきた。
特に予定があった訳じゃないから友達と飲みに行くくらい構わない。でも俺に断りなしで決めたことを申し訳なさそうに話す翔を見て俺って束縛が強いのかなって反省した。
翔に窮屈な思いさせてる?
「ねえ翔ちゃん、今日俺も一緒に行っていいよね?」
「雅紀も?もちろんいいよ。その方が潤も嬉しいでしょ」
ニコニコ笑う翔。やっぱりアイツの気持ちわかってないよな…
本当は心配だよ?翔を狙ってるヤツと飲みに行かせるなんて。
でも、ずっと想い続けた人に会いたいと思うアイツの気持ちはわかるから俺が出来る最大の譲歩。
相葉が居ればアイツも下手気に動けないだろう。
…やっぱ俺って独占力強いな。