第28章 forever
《翔side》
「ねえ翔、今夜予定ある?」
「え?今夜?」
特に予定は入ってない…でも金曜日だから智さんとゆっくり過ごせるなぁ、とは思ってた。
ほぼ毎日一緒の部屋で生活はしてるけど、翌日の事を考えずに過ごせるから週末はやっぱり楽しみな日な訳で…
「何もないならさ、再会を祝して飲みに行かね?」
「あ、うん…」
「なに?都合悪い?」
潤が淋しそうな顔をした。
そうだよね、久し振りに会ったんだし、たまにしかないことだからいいか。
「ううん、大丈夫だよ。潤と飲むの初めてだね」
「うん。じゃあ仕事終るの待ってるから終わったら携帯に連絡頂戴?」
「わかった…それじゃ、またね」
笑顔で去っていく潤を見送ると智さんが隣に居ないことに気付いた。
振り返ると雅紀と一緒に居るのを見付けた。
「ごめんなさい、待たせて」
駆け寄ると少し複雑そうな顔で俺を見る智さん。
「いや、久し振りに会ったんだろ?」
「はい、中学2年の時以来なんで9年振りですね」
「で?今日、飲みに行くの?」
さっきの話し聞こえてたんだ。
「ごめんなさい、勝手に決めて…」
「いや、そこまでお前のこと縛る気はないよ?翔が友人と会うことまで制限しようとは思ってないから」
智さんが優しく笑って言ってくれるけど、それはそれでちょっと寂しかったりして。
二宮さんや岡田さんが智さんに独占力強いって呆れたように言うんだけど、俺としてはそれさえも嬉しく思ってしまう。
そんなところにも愛情を感じてしまうんだ…