第28章 forever
《智side》
隣で話し始めたふたり。俺は後ろにいた相葉の元へと歩いていった。
「おい、相葉」
そう言うと俺の言わんとしていることがわかったようで苦笑いした。
翔たちの方に視線を戻すと翔の肩から手を離すことなく笑顔で話し続けてるソイツ。
「あいつは俺と翔ちゃんの同級生で松本潤って言います。
中二まで日本に居たんですけど親父さんの仕事の関係でアメリカに移住しました」
「アメリカに移住?」
「はい、親父さんが会社経営をしているんですけど、拠点をアメリカに移すってことになって家族で移住を」
「なるどな…で?アイツと翔の関係は?」
「あ~、まあ大野さんのお察しの通りかと…」
やっぱりか…昔の友人とはいえ、あの勢いで抱き付くなんて。しかもあの笑顔…というかあの目。どうみても愛しいものを見る目だよな。
「そんなこったろうとは思ったよ。でもどうせ翔はその事に気付いてないんだろ?」
益々苦笑いする相葉。
「はい。俺と潤はお互いの気持ちに気付いたんで、あの頃はライバルでもあり同志でもありました」
「あの様子だとまだ諦めてなさそうだな」
肩を掴んだままのあの距離、アメリカ帰りとはいえ近すぎるだろ…
「たぶん…たまに連絡取ってたんですけど、必ず翔ちゃんのことは聞かれてたんで。
翔ちゃんの方にも頻繁に連絡は入れてたみたいですよ?」
「で?翔のことを聞かれたときお前はなんて答えてたんだよ」
「相変わらず可愛いよ、って答えてました。
実際変わらず可愛いですしね?」
はぁ~、マジか…
俺も人のことは言えないさ。自分だって16年間『さくちゃん』の事を想っていたんだ。
思い出は綺麗なままだから離れていた方が想いも強くなる可能性はある。
現に近くに居た相葉は翔のことを諦めてるし。
なんか厄介な奴が現れたなぁ…