第28章 forever
《翔side》
智さんと話をしていたら、突然誰かに凄い勢いで抱きつかれて吃驚した。
「あ、潤…」
雅紀の呟く声がして
「え?潤?」
って聞き返したら、懐かしい顔が目の前にあった。
「ただいま!翔」
「え、なんで?いつ帰ってきたの?」
「昨日だよ、翔のこと驚かせたくてずっと黙ってたんだ…ねぇ、驚いた?」
「驚いたよ…だって帰ってくるなんて言ってなかったじゃん。でもなんでここがわかったの?」
「翔の実家に行ってお袋さんに聞いてきた」
「相変わらず凄い行動力だね」
「フフンッ、まぁねぇ~」
自信に満ちた顔。昔から潤はそうだった…常に自信満々な態度で、俺や雅紀はその根拠のない自信に結構振り回されたりしてた。
「で、なんでいきなり帰国してきたの?何かこっちで用でもあるの?」
「うんあるよ、大切な約束を果たしに来た」
「大切な約束?」
「そう、俺の人生で最も大切な約束。その約束果たす為に帰ってきた」
さっきまで笑顔で話していた潤が急に真剣な顔をするから余程大切な約束なんだろうけど。
「帰ってきた、ってもうアメリカには帰らないの?」
「いや、勿論一時帰国だよ。一週間後には目的を達成させてアメリカに戻る」
そう言う潤の顔は昔良く見たものだった。
根拠のない自信…周りに迷惑を掛けながらも絶対に自分の意思を貫き通す時の潤の表情。
今回はそんなことないよね?