第27章 What is your dream ? #10
「え?え?ちょっと待って…ってことはあの可愛い女の子、翔…なの?」
動揺が隠せない大ちゃん。
「女の子ではないけどたぶんそうなのかな。実家のリビングにはその時に新郎新婦とその子と俺の4人で撮った写真が飾ってあるよ。記念にってお姉さんが写真立てに入れてプレゼントしてくれたんだ」
「家のリビングにもある!俺のお気に入りで母ちゃんにずっと飾って貰ってた。
ってことはやっぱり翔なんだ…」
驚きながらもそう結論付けた大ちゃん。そんな大ちゃんを見る翔ちゃんのはにかむ表情は嬉しそう。
「凄い運命的~」
ニノは瞳をキラキラさせて感動してるし。
「何言ってんだよカズ、俺たちの出逢いは俺が生まれた時から始まってんだぞ?俺たちだって十分運命的だろ?」
「あっ!そうだね」
もう、松潤てば負けず嫌いなんだから。ニノが笑顔で返事してくれたから超ご機嫌だし。
年長組のふたりは見つめあってすっかりふたりの世界へ入っちゃった…
と、思ってたら
「あとは雅紀だね、雅紀の夢ってなに?」
急に現実に帰ってきた翔ちゃん。こういうとこ凄いなぁって思う。
ちゃんと人のこと見てくれてるって言うか、二組のカップルが居るなかで俺が孤独を感じないのは翔ちゃんが周りを見る目を持ってるおかげだろうな。
「そうだよ、お前人にばっか聞いてるけどお前の夢ってなんだ?」
大ちゃんもすぐに話に乗ってくれるし、このふたりはふたりの世界を持ちつつ、周りの人間も大切にしてくれる…だから居心地がいい。
「俺はねぇ…『ずっとポカポカするところに居たい』かな?」
「何それ?どういうこと?」
松潤が首を傾げてるけど確かにわかりづらいか。
「あのね、俺、子どもの頃からポカポカするのが凄く好きで、小さい時ってそれがどういう事なのかわからなかったんだけど、良く良く考えたらさ、みんなが笑顔でいる空間なんだよね」