第27章 What is your dream ? #10
「じゃあ、翔ちゃんは?翔ちゃんの夢ってなんだった?」
「あ、えと…」
そう聞いただけなのにやたらと顔を紅く染める翔ちゃん。そんな恥ずかしい夢なのかな?
「何?翔さんの夢ってそんな言いづらいものなの?翔さん頭いいからお医者さんとか科学者とかかと思ったんだけと」
「俺、基本現実主義者だから夢ってあんまり考えたことなくて。常にベストを尽くせば行く着く先が自分なりのベストな所なのかなって思ってたから」
「あ~翔さんぽい」
「じゃあなんでそんな言いづらそうなの?」
そう聞くとやっぱり恥ずかしそうで、しかもチラチラと大ちゃんを見てる。
「あのね、幼稚園の頃の夢がウェディングドレス着ることだったの…」
「「「「えぇっ⁉」」」」
「なんで?なんでそんな夢?あの頃男の子がウェディングドレス着るの流行ってた⁉」
一番驚いてるのは大ちゃんなんだけど驚きすぎたのか言ってることがちょっと可笑しい…男の子がウェディングドレス着ることが流行った時代なんてないだろ。
「違うよ。俺も幼稚園の時、従姉妹がベール持ちを探してたんだけど丁度いい年齢の女の子がいなくて、でも男の子は俺と他にもう一人いたの。
それでそのお姉さんが『翔ちゃんワンピース着て?』って言うから、なんも考えずに着たんだ。
そしたら周りの大人たちがやたらと可愛いって言ってくれたから嬉しくなっちゃったんだろうね。
お姉さんみたいなウェディングドレス着たらもっと可愛いって言って貰えるかなぁ、って思って『大人になったらボクもドレス着て結婚式する』って言ったんだ」
「「「「ええぇぇっっー!」」」」
永遠にわからないと思っていた謎があっさりと解けた。