第27章 What is your dream ? #10
ばあちゃんが俺たちの気配に気付き台所から顔を出して挨拶してきた。
みんな挨拶は返したけど『良く眠れたかい?』の質問には誰も答えられなかった。そりゃそうだよね。
少しぎこちない動きをする翔ちゃんをたまに気遣うように大ちゃんが見てる。深い仲になったせいかラブラブオーラが半端ない。見てるこっちがちょっと照れるくらい。
そのせいかニノの態度も少しぎこちない…あのふたりにどう接していいのかわからないって感じだな。
朝メシを食い終わり洗い物をしているふたりの元へ食器を持っていった。
練習開始の時間を聞き、『翔ちゃんがキツいんじゃない?』って言ったら、翔ちゃんが不思議顔をした。
だから夕べの話をしたら翔ちゃんが悲鳴のような声をあげた。
あれ?俺、失敗した?でも知ってるのに知らないフリ出来ないし。
今にも泣き出しそうな翔ちゃんの肩を抱いて慰める大ちゃん。
「心配すんな翔くん…翔くんの声超可愛かったから聞かれても大丈夫だよ?」
って、満面の笑み…これだけ堂々と愛情表現されると気持ちいいな。
まぁ、元々みんなの幸せな姿を見ることが大好物だし、幸せな人が近くにいることは大変ありがたい。
居間に戻り大ちゃんが練習開始の時間をさっきと変えて伝えると翔ちゃんが反対した。
「俺、大丈夫だよ?」
ほんとは辛い筈なのに頑張ろうとする。そんな翔ちゃんの姿を見て俺は益々翔ちゃんを休ませてあげたくなった。
それは俺だけじゃなく松潤とニノもそうだったみたい。
さっきまでぎこちなかったニノも翔ちゃんに笑顔を見せ後から来るように話す。
翔ちゃんもみんなの気持ちを汲んでくれたみたいでニノの提案を了承した。
「うん、わかった…少し休んでから参加させて貰うね」
「「「うん!」」」
俺たち3人の返事がキレイにハモった。