第27章 What is your dream ? #10
松潤が身体を起こすと俺に言った。
「お前さぁ、ひとりだけ狡くね?イヤホン必要なら俺たちにも教えろよ」
口ではそんなこと言ってるけど顔はにやけてるから怒ってるわけではなさそう。
「悪かったよ。大ちゃんには忠告しといたから大丈夫かと思ったんだけど」
「全然大丈夫じゃねぇわ、もしかしたら雅紀のばあちゃんにも聞こえたんじゃねぇの?」
「あ~、それは大丈夫。ばあちゃん一度寝ると朝まで起きないから」
「なら、良かった…流石に昨日の声は不味いだろ?」
「なになに?そんな凄かったの?」
「俺たちが目を覚ますくらいには、な?」
松潤がニノに同意を求めるように視線を送るとニノは顔を紅く染めた。
あぁ、そんなスゴかったのかぁ。俺もイヤホンしないで聞いときゃよかったぁ。
「で?なんでふたりは一緒に寝てるの?」
「ん?目が冴えちゃったし、あの声聞きながらなんて眠れないからふたりで話してたんだよな?」
また松潤がニノに同意を求めると今度は慌てたようにコクコクと頷くニノ。
益々怪しい…けどふたりが上手くいったならいいか。あとで松潤にこそっと聞いてみよ。
「それよりさぁ、翔さん動けるのかなぁ?」
「え?なんで?」
「あ~、雅紀はそっちに興味無いもんなぁ…男同士って結構大変らしいぞ?」
「え?そうなの?」
「うん…まぁ、俺もそんな詳しい訳じゃねぇけどさ」
俺よりは詳しいだろ…でもそっかぁ、翔ちゃん大丈夫かなぁ?
なんて思ってたら普通に居間に顔を出したふたり。
良かった、平気そう…あ、でもちょっと動きがぎこちないかも?