第26章 What is your dream ? #9
「あ、の…智くん?そろそろ、寝る?」
気不味い雰囲気を何とかしたくて智くんに声を掛けると智くんが突然動き出した。
智くんが乗っていた布団を俺の居る布団にピタッとくっつけた。
「智くん?」
智くんの背中に向かって呼び掛けると智くんは振り返り俺の手を掴み引っ張った。
智くんの腕の中にすっぽりと収まると耳元で智くんの声が聴こえる。
「翔くん、昼間の続きしていい?」
よかった…智くんも同じ気持ちでいてくれた。俺は智くんの腕の中で頷いた。
智くんの手が顎に掛かり少し上を向かされる。
智くんの唇が俺の唇に合わさった途端智くんの舌が入ってきたからちょっとびっくりしちゃって身体ごと引きそうになった。
でも両頬を智くんの手で包み込まれ動きを封じられた。
「んっ…ふ、ん…」
智くんからのキスがいつもよりも気持ち良くて、頭がボーッとしてきたところでゆっくりと智くんに押し倒された。
俺の上にいる智くんが優しい顔で聞いてくる。
「翔くんのこと抱いていい?」
もちろんだよ、俺はずっとそう望んでたんだから。
「うん…智くんに俺の初めて貰って欲しい…」
智くんの手がパジャマのボタンに掛かったからその手を止めた。
「智くん、ちょっと待って?」
智くんがちょっと驚いた顔をする。
「あのね、準備したいの」
「え?準備?」
「うん…俺ね調べたんだ、男同士のエッチの仕方…初めて智くんに抱かれるならいい思い出にしたいから」
バッグの所へ行き、用意した物を手にして布団へ戻る。
「まずね、バスタオル…布団汚しちゃうと大変でしょ?」
大きめのバスタオルを布団の上に広げた。
「それとね、これ…」
ローションと避妊具を智くんの前に置いた…恥ずかしいけど必要なものだから。
智くんがボトルを手にすると不思議そうに聞いてきた。
「これどうするの?」