第25章 What is your dream ? #8
町の集会所を借りダンスの練習。
フラダンスの練習に使ってると言うだけあって床は綺麗に維持されてるし大きな鏡はあるし、普段の屋外の練習に比べれば雲泥の差だ。
最初はバラバラだった動きも練習が終わる頃にはだいぶ揃ってきた。
みんなセンス良いんだな。体力があるのもダンスをやるには大きな武器だ。
いいメンバーが揃ってくれて良かった。これなら大会もなんとかなりそうだな。
今日の晩飯は庭でバーベキュー。
準備をするときの翔くんはてきぱきと動き、笑顔で雅紀のばあちゃんと喋ってる。人に気を配れる人なんだよな。
翔くんは勉強も出来るし、可愛いし、人から頼りにされるし、人に気も使える、人としてほんとに優れてる人…なのになんで俺なんて選んでくれたんだろう…
腹が満たされ縁側で翔くんとふたりで座っていたときにその質問を翔くんにしてみた。
「ねぇ翔くん?なんで翔くんは俺を選んでくれたの?」
「どうしたの?突然」
翔くんが少し驚いたように俺を見た。
「いや、翔くんほどの人だったら他にも告白してきた人いたんじゃないかなぁ?って思ったから」
「ん~、正直言うといなくはなかったよ?告白してきた人。でも俺の中には智くんがいたから。智くんとは付き合えないって思っていても他の人と付き合う気にはなれなかった。
それにね、俺は智くんを選んでない。俺が智くんに惹きつけられたの…さっきも言ったでしょ?智くんには人を惹き付ける力があるんだよ」
そう言って微笑んでるけど絶対翔くんの方が人を惹き付けるって…少なくとも俺は翔くんから目が離せない。