第25章 What is your dream ? #8
二手に別れ部屋に入る。荷物を置くと翔くんが窓を開けた。
「智くん見て、凄くいい景色…」
翔くんの隣に立ち窓の外を見る。
遠くに見える山が新緑に染まり、その手前には稲が植えられたばかりの田園風景。太陽の光が乱反射してキラキラと輝いていた。
「綺麗…」
隣で感嘆の声を漏らす翔くんを見ると、その景色を見ている翔くんの瞳も負けず劣らずキラキラしていて、俺としては景色よりも翔くんの方が綺麗だと思ってしまった。
じっと翔くんを見ていたら翔くんがこちらを向き「ん?」と笑顔で首を傾げた。
翔くんの頬に手を伸ばし触れると翔くんが「あ…」っと小さく呟く。
顔を近付けていけば恥ずかしそうに伏せられる瞼。
そっとキスをすると翔くんの手が俺のシャツの裾を握った。
離れてもなお視線を伏せ頬を紅く染める翔くん。
「翔くんの方が綺麗だよ…」
そう囁けば更に顔を紅く染め俺の肩口に額を当てる。
「そんなはずないでしょ…」
小さな声で抗議する翔くんが可愛らしい。
両頬に手を添え顔をこちらに向けると翔くんの瞳は潤んで更にキラキラとしていた。
「ううん、翔くんの瞳の方がずっと綺麗だ」
そう言いながら翔くんの瞼にキスをし、もう一度翔くんの顔を見詰めた。
「智くん…」
艶を含んだ翔くんの声…自ら瞼を閉じていく翔くんに誘われ、俺は何度も翔くんにキスをした。
俺のキスから解放された翔くんはトロンと蕩けた表情で俺を見詰める。
「続きは夜ね?」
そう言うと翔くんは恥ずかしそうに小さく頷いた。