第25章 What is your dream ? #8
《Satoshi's time》
雅紀のばあちゃんの住む場所はとても気持ちがいいところだった。
景色もいいし、空気も上手いし、それになんてったって隣には翔くんが歩いてる。
俺の視線に気付いたのか翔くんはこちらを向くとニコッと笑い掛けてくれた。
もう、最高だぜっ!
こんな幸せな日々が待ってるなんて高校入学したときには思いもしなかった。
まぁ、その後すぐに翔くんと出会うことになったからそれなりに幸せな日を過ごしてはいたけど、まさか両想いで付き合えることになるなんて!
しかも付き合い初めてからの翔くんは可愛さを増していくばかり。
今だって風を受け気持ち良さそうに微笑む顔が何とも艶っぽい。
高校2年の男子だぞ?こんな可愛いいってあり得るのか?
俺はなんて幸福者なんだ!
今すぐ抱きしめたくなる衝動をなんとか押さえ、雅紀のばあちゃんの家までたどり着いた。
ばあちゃん家に上がらせて貰い、お茶をご馳走になった。
その時、翔くんは鞄から紙の包みを出し、ばあちゃんへ差し出した。
翔くんが出したのは用意していた手土産…なんて気が利く人なんだ。
その時俺は翔くんのことを嫁に貰おうと心に誓った。
お茶を飲み終わったあと雅紀に部屋へ案内された。
雅紀には事前に部屋割りを伝えておいた。
伝えた時にニヤッて笑われたけど
「しょ、翔くんとふたりで決めたんだぞ!俺一人の意見じゃないからな!」
「ふ~ん、別に俺なんも言ってないよ?
でも、ふたりきりねぇ…あそこ田舎だから夜スッゲェ静かなの、大きな物音立てると響くから気を付けてねぇ」
絶対怪しんでるじゃねぇか…