第3章 second love
日も落ち薄暗くなった公園には人影も疎らで…少し奥に入ると周りには誰もいなくなった。
相変わらず早足で歩いていた潤くんが突然振り返った。勢い余った俺はそのまま潤くんの胸に飛び込んでしまい潤くんに抱き止められた…潤くんの腕が俺の背中に回わりぎゅっと力が入った。
「ごめん、俺翔さんみたいに待てないや…」
「え?」
潤くんは俺の顎に指を添え上を向かせた…
「…ごめんね…あんな和の顔見たら我慢できないよ…」
「潤くん?」
潤くんの顔が近づき一瞬唇と唇が触れた…
すぐに離れていくのが残念で目で潤くんの唇を追った…
「…もう1回」
「和?」
「もう1回してよ…」
潤くんは驚いたように俺を見た。
「…いいの?」
「…うん、いいよ」
潤くんの唇が再び触れる…さっきよりも長いキス…
唇が離れると潤くんがギュッと抱きしめてくれた。
潤くんの腕の中で俺は小さな声で囁いた…
「…潤くん…好きだよ」
潤くんは少し体を離し俺の顔をじっと見詰めた。
「和?ほんと?信じていいの?」
コクンと頷くと潤くんは再び俺のことをぎゅっと抱きしめた。
「はぁ…イルカ邪魔…」
潤くんがボソッと呟いたのが可笑しくて笑ってしまった。
「…いつから俺のこと好きだったの?」
「たぶん球技大会でバスケやってる姿見た時から…」
「そんな前?やっぱ翔さんには敵わないや…」
「なんで?」
「俺さ、翔さんが高校卒業した後相談したんだ…和が離れていったからさ、もう諦めようかなって…そしたら翔さんに『大丈夫だからそのまま想い続けてろ』って言われたんだよ」
「翔ちゃんが…」
翔ちゃんには分かってたんだね…俺の気持ちが潤くんに向いたこと。
「マジで感謝だな」
「うん、良かった潤くんが好きでいてくれて…」
「俺、翔さんに負けないから…いつか俺が和の一番の理解者になるから」
「ありがと…でも、今でも翔ちゃんに負けてないから…俺の一番は潤くんだからね?」
「ありがと、和…」
そう言ってまた抱きしめてくれた。